Anker Solix C800 Portable Power Stationを実機レビュー:58分フル充電のキレと、家でも外でも頼れる“ちょうどいい大容量”
キャンプや車中泊での電源確保、災害時のバックアップ、在宅ワークの停電対策まで。最近は「持ち運べる家庭用電源」が当たり前になりつつあります。中でもAnker Solix C800は、768Whの容量と定格1200W、58分で100%まで回復する爆速充電が光る1台。実際に数週間使ってみて、“必要十分の余力と扱いやすさ”を両立した、ちょうどいいポータブル電源だと感じました。
製品の概要と主な特徴
- 容量:768Wh
- 定格出力:1200W(瞬間最大 1600W)
- 急速充電:58分で0→100%
- バッテリー:リン酸鉄(LiFePO4)/約3000回サイクル
- 出力ポート:ACコンセント×5
- 重量:10.5kg/サイズ:20.5 × 24.99 × 37.08 cm
- 機能:収納スペース、内蔵LEDライト、パススルー、アプリ制御、UPS対応
- 参考価格:64,800円(記事掲載時点)
58分フル充電の実力は“使いたいときにすぐ使える”安心感
家庭のコンセントにつないでのフル充電が約58分。実際、3%→100%まで約1時間ちょっとで復帰しました(終盤のセルバランス調整を含む)。思いついたタイミングで充電しても出かける前に満タンにでき、非常用でも「こまめに充電しなくては」というストレスがありません。
768Wh×1200Wで“家電が普通に使える”快適さ
ACが5口あるので、ノートPC、プロジェクター、小型クーラーや調理家電などを同時に運用しやすいのが好印象。定格1200W、サージ1600Wで、炊飯器の少し控えめなモデルやドライヤーの弱〜中モードもこなせました。アウトドアでも「家と同じ感覚」で家電を使えるのは快適です。
LiFePO4と約3000回サイクルで長く使える投資
リン酸鉄系は熱に強く、劣化がゆるやかなのが特徴。約3000回の充放電に耐えるので、毎週末使っても年単位で性能を保てます。非常用を兼ねるポータブル電源は「いざ」という時に使えてこそ。長寿命ゆえの安心感は、C800を選ぶ大きな理由になりました。
UPS対応・パススルー・アプリ制御で日常使いがはかどる
- UPS対応:家庭のコンセント経由でPCやネットワーク機器をつないでおけば、停電時も自動でバックアップ。パススルー対応なので給電しながら充電が可能です(接続機器との相性はご確認ください)。
- アプリ制御:スマホから残量や出力の確認、動作モードの切替ができ、設置場所を選びません。
- 収納スペース&LED:ケーブルを本体にまとめられ、夜間はLEDライトが作業灯にもなります。
実機で試した使用シーンと稼働時間の目安
実効稼働時間は使用機器や環境で変動します。ここではインバーター効率等を加味し、概ね85%の実効容量(約653Wh)で目安を算出しています。
- LEDランタン(10W):約65時間
- ノートPC+モニター(合計100W):約6.5時間の連続駆動
- 電気毛布(40W):約14時間/2枚(80W)なら約7〜8時間
- プロジェクター(60W):約10〜11時間。ベランダ映画会が余裕
- 小型冷蔵庫(平均60W想定):約10時間相当。間欠運転なら一晩〜丸一日を狙えることも
- 炊飯器(700Wで30分):約0.35kWh消費。2〜3回の炊飯が目安
- コーヒーメーカー(1000Wで5分):1杯あたり約0.08kWh、余裕あり
我が家では、車中泊でPC+プロジェクター+ミニスピーカーを同時に使っても半日余裕、停電時はWi‑FiルーターとノートPC、照明をまとめて支えてくれました。家電を「我慢しない範囲」で使えるのがC800の強みです。
使って感じたメリット・デメリット
良かったところ
- フル充電58分の回復力で、“使いたい時に満タン”を実現
- 768Wh×1200Wで家電の選択肢が広い。AC×5口で同時利用が快適
- LiFePO4&約3000回サイクルの長寿命。非常用ストックとして安心
- パススルー&UPS対応で日常のバックアップ電源化が簡単
- 収納スペースや内蔵LEDなど、現場で効く気の利いた装備
- 10.5kgで持ち運びやすく、家庭内の移動も苦にならない
気になったところ
- 瞬間最大1600Wはあるが、ドライヤー強風やIH高出力の連続運転は苦手
- ACメイン構成ゆえ、USB機器中心の人はハブやアダプター併用が前提
- 急速充電時はファンが回る。静かな夜間は充電タイミングの工夫が必要
こんな人におすすめ
- 初めてのポータブル電源で「容量・出力・充電速度」のバランスを重視する人
- キャンプや車中泊で、調理家電や映像機器を“普通に”使いたい人
- 在宅ワークや家庭の停電対策として、UPS的に常設したい人
- 長寿命なLiFePO4で、非常用を兼ねながら日常でも使い倒したい人
仕様まとめ
- 製品名:Anker Solix C800 Portable Power Station
- 容量:768Wh
- 定格/瞬間最大出力:1200W/1600W
- フル充電時間:58分(0→100%)
- バッテリー:リン酸鉄(LiFePO4)、サイクル寿命 約3000回
- 出力ポート:AC×5
- 機能:収納スペース、内蔵LEDライト、パススルー、アプリ制御、UPS対応
- サイズ・重量:20.5×24.99×37.08 cm、10.5 kg
- 参考価格:64,800円(記事掲載時点)
総評:頼れる“日常使いの主力”になれる1台
Solix C800は、容量・出力・充電速度の三拍子がきれいにそろった万能機。アウトドアでの快適度を確実に底上げしつつ、家庭ではUPS対応とパススルーで“普段使いのバックアップ電源”としても活躍します。長寿命のLiFePO4で投資価値も高く、最初の1台にも、サブからのステップアップにも自信をもって勧められるモデルです。

